人狼 ザ・ライブプレイングシアター人狼 ザ・ライブプレイングシアター

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舞台「人狼TLPT」公式サイトへようこそ!
人狼TLPTは、ステージ上の13名が言葉を尽くし、千変万化の物語をアドリブで紡ぐライブ・エンターテインメントです。出演者がルールに用いるのは人気パーティーゲーム「人狼」。脚本はオープニング以外まったくなく、開演直前に6種類13枚のカードで決まる役割に従い人間 vs 人狼の戦いを即興で繰り広げます。
これより始まるは……今をおいて他にない、たった一度の物語。

人狼 ザ・ライブプレイングシアター

#08:MISSION The Castle Job

特別コラム

解答用紙

このページのコラムは#08:MISSIONの公演時、ご来場いただいた皆さまにお配りした解答用紙のコラムに加筆修正をしたものです。
ステージごとに異なるテーマで、#08:MISSION The Caslte Jobの世界に奥行きを与えています。(全13回)

1.未解決事件:とある銀行の金庫破り

厳重なセキュリティの中で管理されている巨万の富が眠る金庫を知恵と勇気、そしてチームワークで破って大金持ちになる。ハリウッド映画などでおなじみの金庫破りであるが、数年前に起こっていまだに未解決の事件がある。『ホテルリュカオーン事件』と呼ばれる、カジノの大金庫が襲撃された事件である。
手口は実にシンプルであった。金庫の扉を爆薬で吹き飛ばし、中身の金塊と100ドル札のコンテナを盗み取って逃走する……それだけである。ただ、それだけのことをわずか5分の間に完璧にこなしてみせたのだった。逃走経路も警備の隙間を縫って逃走したのか、きわめて巧みで痕跡すら残さずに逃げおおせたのだった。
噂では、犯人はとあるコーディネーターが集めた犯罪チームであると言われ、人間関係のつながりが薄いメンバーによるミッションであったと推測される。それゆえに、事件後の足取りも掴みにくく、今なお解決の糸口がつかめない状況であるらしい。ただ『ホテルリュカオーン』には、とあるマフィアのグループにつながりがある関係で限りなくブラックな出所の資金で運営されているというウワサがある。それが理由なのか、警察も特に全力で捜査したというわけではなかったのは事実であった。それからまもなくして『ホテルリュカオーン』は潰れてしまった。
批判を承知であえて書くが、油断した間抜けな悪党を頭が切れる悪党が出し抜いたこの事件、著者の個人的な感想は『痛快』の一言に尽きる。一般市民にかかわりの無い、こうしたアウトロー同士の潰しあいは見ていても胸が痛まない。存分にやって欲しい。
今、犯人たちは何をしているのだろう? きっと、盗んだ金で悠々自適に暮らしているのだろう。そしてたぶん、国内にはもういないだろう。
それでも、私は彼らがもう一度来る気がしてならない。僕らの友だちアンクルサムは相変わらずでマフィアは相変わらず元気一杯、泣きを見るのはいつも一般市民だ。
だから、そうしたマフィアたちに……いっそ、アンクルサムにガツンと一発キツイのをかましてくれたなら——それを知った私が『聖なるクソが俺のパンツに!』と叫ぶのをどうか許して欲しい。
そして、このコラムを最後まで読んでくれた皆様に一言——『皆様、素敵なクリスマスをお過ごしください』。

2.特集:ジャンキー

世界で最初に法律で禁止されたドラッグはアブサンだという。ニガヨモギが原料のアニス系リキュールを皮切りに身体に悪影響を及ぼす『ドラッグ』が法律で禁止され、禁止されていないけれど同じような効果のある『ドラッグ』が開発されて流行し、またそれが法律で禁止されるといういたちごっこをわれわれはずっと続けてきた。
もちろんそうした『ドラッグ』は身体や精神を蝕み、社会にとって実に害悪であり禁止されてしかるべきシロモノであるが、件のアブサンはピカソやゴッホ、ロートレックやヘミングウェイなどに愛されて19世紀末の芸術に影響を与え、LSDやマリファナが60年代から70年代に起こったヒッピームーブメントに多大な影響を与えるなど、必ずしも『害悪』の一言で片付けられないものもあるのは事実である。
そもそも、ヘロインも元をたどれば咳ぐすりであるし、コカコーラのコカがコカインのコカであることは有名な話である(もっとも、今はコカインの変わりにカフェインが入っているようであるが)。
人体にとって有害であり反社会的な行為を誘発するとされて禁止される薬物は、しかし、その魅力ゆえに法律を破っても愛好する人々がいるのもまた事実である。特に依存性のある薬物の中毒になり、より効果の強い薬物を求めて文字通り死ぬまで摂取を続ける——そうした人たちを俗に『ジャンキー』と呼ぶ。筆者はそうしたジャンキーの若者数人に話を聞いた。
「うふふ、たぁのしいですよお」と、何が面白いのか分からないままに満面の笑顔で筆者の前に立ったのは、いわゆるマフィアの下部組織に属し、日々殺人などの犯罪行為に手を染めている若者だった。
彼はダンスとラップを愛する大柄な若者でもあり、そうしている限りは普通の青年となんら変わりが無いように思えた。
ただ、彼はれっきとしたアウトローである。身体や精神に悪影響を与えるドラッグを他人に販売して生活をしていることをどう思うか尋ねてみたところ、意外な答えが返ってきた。
「ドラッグを売る? とんでもない!」と、彼は愉快に笑いながら言った。「僕たちみたいなジャンキーは売人にはなれないんですよぉ。売り物に手をつけちゃ、商売になりませんからね。売春宿の親父が自分とこで寝ないのと一緒ですよお」
薬物中毒患者が薬物を売るというのは、確かにルール違反であるのだろう。彼は確かにジャンキーである。が、アウトローの仁義の中で生きる人間であった。さまざまな犯罪に手を染めているであろう彼が、そうしたルールを守る姿勢が筆者にとっては意外で興味深く思えたのだった。

3.特集:ガンスリンガー

『ガンスリンガー』『ガンマン』と聞いて連想するものは誰だろうか?
ワイアット・アープ? ジェシー・ジェームズ? ビリー・ザ・キッド? カラミティ・ジェーン?
開拓時代の古きよきアメリカの象徴のように思われるこれら愛すべき拳銃使いたちだが、21世紀になった現代にも存在しているのだと言う。むしろ、おおっぴらにライフルやショットガンを持ち歩けなくなった現代こそ、これらガンスリンガーの本領発揮の場であると思われる。
「俺は『鉄の信念を貫く男』と言われているんだ」と胸を張った大男は、アウトロー相手のガンスミスである。『鉄砲鍛治』と古風な名乗りをしているが、彼の持っている銃はロングバレルのグロック17L。プラスチックを多用しているグロックを愛銃とする鉄砲鍛治と言うのは、彼一流のジョークなのだろうか? なかなか興味深い。
彼の顧客について尋ねたところ『詳しい話は出来ないぜ』と前置きをしながらも色々と語ってくれた。「大物のアウトローでガバメントをずっと使い続けている男がいる——いい加減いまどきのヤツにしたらといったけど『思い出が詰まってるンや』と言ってウンと言わない——なんでも、生まれて初めて殺した警官の銃らしい」「クレイジーなヤツがこの間デザートイーグルを買って行った。懐でさぞや邪魔だろうと思うが問題ないだろう——ヤツはかなりの切れ者だが、いつもキレていて抜きっぱなしだからな」「トリガーの遊びを多めにとって安全を重視した設計のM9のトリガーをフェザータッチのトリガーハッピーなカスタムで使っているヤツがいる。トリガーもハッピーだがオツムもかなりハッピーだ」などなど、興味深い話はつきなかった。
すっかり打ち解けたところで、一番気になってることを聞いてみた。「今でも西部劇みたいなガンファイトはあるのかい?」すると、男はニヤッと笑ってこう言った。「西部劇ってよりは、アルカポネだな。壁際に立たせて皆で蜂の巣にするってのは、ポピュラーな話だ」「州境にある看板みたいにみんなでぶち込んで、穴だらけにして処刑するんだよ。まあ、じわじわやられるよりは楽に死ねていいかもな」。
やはり、ワイアットアープがクラントン一家と決闘したのは『古きよき時代』の物語になってしまったのだろうか……

4.特集:アウトロー

アウトロー……文字通り『無法者』と言う意味であり、そうした人々の事を言う。古くはジェシー・ジェームズやボニー&クライドなど『公共の敵(パブリックエネミー)』と認定されたものが『アウトロー』と呼ばれた。そのほとんどが強盗や窃盗、殺人や暴行のエキスパートである。
今日でもアウトローと呼ばれる者は数多く、その中でも『窃盗の天才』と名高い女性に話を聞くことができた。
「ナナって呼んで」と、その女性は笑顔で私に握手を求めた。本名かどうかは分からないが「名前を書いても? かまわないわ」と快諾してくれたのは、いわゆるアウトローと呼ばれる人種の中では実に珍しい部類に入るだろう。
彼女は人材のネットワークが多岐に渡り、さまざまな分野のプロフェッショナルを集めてチームを編成。組織力を活かした『作戦』を組んで仕事をする。そして、そのコーディネートのスキルが『天才』だといわれているのが、彼女なのだ。
「色々なひとがいるのよ。殺し屋やマフィアは当たり前だけど」と彼女は言う。「鍛治屋とかドライバーとか鍵屋さんとかもいて、そうしたひとたちに仕事を割り振って、ひとりではできない大きな仕事を狙えるのがうれしいのよ」 一匹狼のイメージが強いアウトローだが、それを束ねるカリスマがあれば話は別なのかもしれない。逆にひとりでも荒海を渡っていけるアウトローがチームを組めば、相当に手ごわい集団になるだろうことも想像に難くない。「銃が得意なガンマンにPCをハッキングさせてもうまくいかないし、鍵屋にライフルで狙撃させても心もとないでしょ? 適材適所が大切なの。キャスティングとおんなじ」と言う彼女の言葉は当たり前のようでいて、それを踏まえて犯罪をするとなるときっと難しいのだろう。「みんな自分のことはかわいいけど、他人のことはどうでもいいってひとばっかりだから」とナナは笑うが、弱肉強食のアウトローの世界で生きるとなると、どうしてもそういう心構えになるのではないだろうか?
そんなことを考えていたらひとりの男がナナを呼びに部屋に入ってきた。ヘルシーと名乗ったが、こちらは明らかに偽名だろう。彼はどういうスキルの持ち主なのか聞いたら、ナナはニッコリと笑って言った。「ヘルシーは食通なのよ」。
——いったい、どういう仕事を割り振られるかまったく想像できないが、彼女たちは新しい『ミッション』の準備をしているのだという。
いずれ新聞をにぎわすことがあるのだろうか? 読者のみなさんはぜひ本紙を読み逃さないようにしていただきたい。

5.マニフェスト・デスティニー

僕らの友だち、サムおじさんはお友達が大好きです。僕らの仲間に入っていない子を見つけたら『なかまになろうよ!』ってさそわなきゃいけません。
でも、その子のお友達が『サムおじさんとあそんじゃダメだよ』っていじわるをします。サムおじさんは考えました。『そうだ。ぼくがいじめっ子たちをこらしめて、その子がぼくらのなかまになれるようにしよう!』サムおじさんは、いじめっ子たちをやっつけて、その子はサムおじさんのなかまになりました。めでたしめでたし。

アメリカ合衆国は過去、そして現在もそんなことをやり続けてきた。古くは西部開拓時のインディアン迫害、ハワイ併合、第二次大戦後の日本占領、アフガニスタン、イラク……一言で言うと『アメリカの押し売り』である。ただ、アメリカ合衆国は『正義』が大好きだ。弱いものいじめは、大嫌いである。ただ軍事大国のアンクルサムは、どこと戦争しても『弱いものいじめ』になってしまう。それでは合衆国国民の支持を得ることができない。弱いものいじめをするためには、弱いものいじめをするための『理由付け』が必要である。
——これが『マニフェスト・デスティニー』だ。
「明白なる使命」「明白なる運命」などと言う意味のこの言葉は、今現在アメリカ陣営の恩恵をこうむっていない国に
『素晴らしいアメリカ陣営の一員に加えてあげるよ』
と言う理屈とともに、既存の勢力者を排除して、アメリカの武力・国力を背景にアメリカ的正義を強制することを意味する。
結果、治安は悪化して恒久的な紛争地域になってしまう例が数多く生じてしまうのが現状である。
もちろん、成功例もある。ハワイは(本人たちが望んでいたかは疑問だが)近代化に成功した例であるし、日本は世界第二位の経済大国になるほどに成長した。
いずれの場合にも、一番重要なのは合衆国の国益になることであり、アメリカが強いアメリカでいつづけるために必要なことである。
ただ、武力による制圧はテロリズムによる報復を生み、必ずしもプラスばかりのことではない。
合衆国は次なる一手を考えているといわれているが……はたして、それを記事に出来る日がくるかどうかはまだわからない……

6.シリーズC7ドラッグ:総論

今世紀初頭、米究所軍病理学研(AFIP)は、ある種のドラッグを開発した。
そのドラッグはたとえばLSDのような『五感に影響を与える』だけではなく、いわゆる『第六感』を一時的に開放・強化するものだった。服用することにより『人間のそれをはるかに超える能力を得る』『五感では知りえない情報を知る』ことができるとして、米政府は研究主体をAFIPからCIA科学技術部(DS&T)に移管。諜報活動分野での実用化を目指して開発が続けられた。
長い長い研究の末——DS&Tは7種類のドラッグの開発に成功。それらのドラック群は『C7《シーセブン》』と名づけられた。
C7の『C』が何の頭文字であるかは不明である。C7ドラッグは多くの謎と機密のベールに包まれているので『C7』と言う名前以外は詳細は謎に包まれているのが現状である。
そして、その7種類のドラッグは担当者たちの間で親しまれていたカードゲームから以下のように名づけられた。
『予言者』『霊媒師』『狩人』『医者』『共有者』『恋人』——そして『人狼』である。
この7種類がそれぞれどのようなドラッグであるかは、次回以降でお話したいと思う。
これらC7の第6感を開放し、超感覚を得る際に感じるサイケデリックなトリップ感はジャンキーの間で話題になった。だが、C7ドラッグは国家機密に準じる扱いを受けており、きわめてその情報は少ない。まして流通などするべくもないが、横流し品がごく少量出回っており末端価格は大変高価なものになっていた。
なおC7は大変からだに負担をかけるドラッグであり、2種類を同時摂取することが出来ない。
これから、このコーナーで私はC7について語りたいと思う。ジャーナリスト生命どころか命の危険を感じていさえもするが、これを伝えるのがルポライターである私の使命だと思っている。
もし、私が不慮の死を遂げたら——そういうことだと思っていただければ幸いである。

7.シリーズC7ドラッグ:予言者

米軍とCIAが開発した7種類の『超人化ドラッグ』——C7(シーセブン)。
各ドラッグは、開発者たちがハマっていたカードゲームにちなんで名づけられたりもしたが、まるでスーパーヒーローの特殊能力が手に入るような画期的な内容だった。
そして、7種類のドラッグはすべてバラバラの効果を発揮するもので、さまざまな分野で活用が期待できるものであった。

それでは、C7ドラッグのひとつ『予言者』ドラッグについてお話ししたいと思う。
『予言者』ドラッグは嗅覚を超人的に高めることが出来るドラッグである。
このドラッグの嗅覚強化における最大の特徴は超指向性であるということだ。すなわち、狙った特定の箇所だけの匂いをピンポイントで強化してかぐことが出来る。
無制限で強化された嗅覚で匂いをかいでしまうと、脳がオーバーフローを起こしてしまう恐れがあるからであるといわれている。

そして『予言者』ドラッグを摂取すると、よく訓練された麻薬捜査犬と同等かそれ以上の情報をピンポイントで得ることができるようになる。
たとえばトイレに入った際に、前に入ったヤツのディナーがなんだったか……いや、これ以上はやめておこう。
ともあれ、このドラッグを熱望したのは軍よりもCIAだったという。
普通に会話しながら懐に銃を持っているかどうかが匂いで分かったり、ドラッグの売人が何のドラッグを扱っているかを匂いでかぎ分けることもできる。
さらにターゲットの隠れ家がもぬけのからになっていたときでも、直近で誰がいたのかを匂いで把握できたりする。

このように、きわめて捜査に役立つドラッグであるが、問題は法整備が追いついていないと言う点である。
『捜査官が現場の匂いをかいだところ、死体の周辺に容疑者の匂いが強く残っていた』
『容疑者の上着から拳銃と火薬の匂いがしたので発砲した。容疑者は死亡したが、容疑者はクイックドローの達人であるため、正当防衛が成り立つだろう
——これらが裁判の証拠として認められるようになったときが『予言者』ドラッグが真価を発揮するときなのかもしれない。

8.シリーズC7ドラッグ:霊媒師

米軍とCIAが開発した7種類の『超人化ドラッグ』——C7(シーセブン)。
各ドラッグは、開発者たちがハマっていたカードゲームにちなんで名づけられたりもしたが、まるでスーパーヒーローの特殊能力が手に入るような画期的な内容だった。
そして、7種類のドラッグはすべてバラバラの効果を発揮するもので、さまざまな分野で活用が期待できるものであった。

それでは、C7ドラッグのひとつ『霊媒師』ドラッグについてお話したいと思う。
『霊媒師』ドラッグはすでに死亡して代謝が止まった者の残留した薬物反応を感じ取ることができる能力を得ることができる。
ただし、感知できるドラッグの種類には制限があり、自然物が原料である薬物には特に効果を発揮するとされるが、感知できないものはまるで感じ取ることができない。
たとえばC7ドラッグの中で感知できるのは1種類しかないが、マリファナやコカインは100%威力を発揮するといった具合である。
この『霊媒師』も米軍はまるで見向きもせず、実用化に躍起になったのはCIAであった。『死人に口なし』と言われるが、場合によって『死人に口あり』になる可能性があるからだ。

正直、使い道にとぼしくC7の中で一番人気が無い——と思われるが、実はそうではない。ある側面ではもっとも人気の高いドラッグだといわれている。
『霊媒師』ドラッグの由来は死人と対話するように死体の薬物反応を探ることが出来る点と、原始宗教のシャーマンやヨガの行者、仏教の修行者などが瞑想の果てにたどり着く境地——そうした境地にきわめて近いスピリチュアルなトリップ感を得ることができるためといわれている。
このトリップ感が話題になり、いわゆる『ジャンキー』な方々の間で『霊媒師』ドラッグは絶大な人気を誇るのである。流通量の極端な少なさもあいまって裏マーケットでは超高値でやりとりをされている。また、依存性がまったくないのもC7ドラッグの特徴であるため、強力なトリップ感が得られるのに無害な最高のドラッグと評判であるらしい。

そうした話を聞いていると、筆者も一度体験したいと思うのだが……一回分でちょっとした車が購入できるくらいの価格であるらしい。まずはラスベガスに行って、スロットのレバーを握りたいと思う。

9.シリーズC7ドラッグ:狩人

米軍とCIAが開発した7種類の『超人化ドラッグ』——C7(シーセブン)。
各ドラッグは、開発者たちがハマっていたカードゲームにちなんで名づけられたりもしたが、まるでスーパーヒーローの特殊能力が手に入るような画期的な内容だった。
そして、7種類のドラッグはすべてバラバラの効果を発揮するもので、さまざまな分野で活用が期待できるものであった。

それでは、C7ドラッグのひとつ『狩人』ドラッグについてお話したいと思う。
『狩人』ドラッグは、任意の場所を訪れた者たちに幻覚を見せることができるという能力である。能力の持続時間はおよそ半日であるらしいので、使いどころが難しいが使い方によってはかなり『映画的』な効果を発揮する、夢のようなドラッグである。
特に人間の幻影に関しては特にリアルなものを見せることができるため、いわゆる影武者を作ることが可能だ。日本のニンジャムービーでよくある、ジャンプしたニンジャが敵に撃たれて地面に落下して、しとめたはずのニンジャの元に駆け寄った敵が見たものは、ニンジャの服を着た丸太だった——アレができるようになるというわけである。
ただ、イメージには客観性が求められるために自分自身の幻影は作ることができないといわれるので、上記のシーンを再現するためには『狩人』ドラッグを摂取した仲間のサポートが必要であるだろう。
もちろん、熟練の『狩人』がドラッグの能力をフルに使えば、風景を含めたリアルな幻影を作ることも可能なわけだが、そこまでやるのにはかなりの訓練を要するといわれる。
また、同じ場所に長時間連続で幻影を作ることもできないので、トラップを2日連続で張ることもできないそうだ。リアルニンジャには、まだまだ道が遠いといったところである。
ともあれ、このドラッグは男性諸氏に人気であると言われる。アリバイ作りにきわめて有用であるのだそうだ。
果たして、何の『アリバイ』であるかは同性のよしみで深く掘り下げないことにしようではないか。。。

10.シリーズC7ドラッグ:医者

米軍とCIAが開発した7種類の『超人化ドラッグ』——C7(シーセブン)。
各ドラッグは、開発者たちがハマっていたカードゲームにちなんで名づけられたりもしたが、まるでスーパーヒーローの特殊能力が手に入るような画期的な内容だった。
そして、7種類のドラッグはすべてバラバラの効果を発揮するもので、さまざまな分野で活用が期待できるものであった。

それでは、C7ドラッグのひとつ『医者』ドラッグについてお話したいと思う。
『医者』ドラッグは、自分、もしくは接触した相手の自然治癒力を一時的に高めて怪我や病気を治すことができる能力を得ることができる。
ある意味、C7ドラッグの中で一番汎用的——軍隊や情報機関以外の一般市民でも、所持していると実に便利ではないかと思われるドラッグである。
むしろ、本来の意味での『ドラッグ』であろう。大概の怪我や病気を治すことができるといわれる。
癌や白血病、AIDSのような免疫系にダメージを与える種類の病気に関しては効果があまり期待できないが、単純な怪我や風邪などには絶大な威力を発揮する。
抗生物質のように、特定の原因物質に効果を発揮するのではなく対象となった人物の免疫系を刺激するというプロセスのために、接触した相手に効果を伝播することも可能なのだ。
実は筆者が取材中に風邪気味であったのだが、医者ドラッグを摂取していた取材相手が筆者の頭に手を置いたとたん、信じられない勢いで体調がよくなっていった経験をした。
批判を承知で書くが、おそらく『神の奇跡』と言うのはこういうものなのかもしれない。
このドラッグが安価で提供されるようになればノーベル賞確定並みの偉業なのだろう、だが、そうなるとおそらく『医者ドラッグ』のメーカー以外の製薬会社や仕事が大幅に減るであろう医学界から反発が起こるのだろう。この国は得てしてそういうことが起こりえる。

神の奇跡も乱発されると問題が生じるのかもしれない——そんな思いを抱くほどには偉大なドラッグである。

11.シリーズC7ドラッグ:共有者

米軍とCIAが開発した7種類の『超人化ドラッグ』——C7(シーセブン)。
各ドラッグは、開発者たちがハマっていたカードゲームにちなんで名づけられたりもしたが、まるでスーパーヒーローの特殊能力が手に入るような画期的な内容だった。
そして、7種類のドラッグはすべてバラバラの効果を発揮するもので、さまざまな分野で活用が期待できるものであった。

それでは、C7ドラッグのひとつ『共有者』ドラッグについてお話したいと思う。
『共有者』ドラッグは、ドラッグを摂取した者同士でテレパシー的な意思疎通が可能になる、まさに『超能力』と言うべき力を手に入れることができるドラッグである。
ただ、言葉のやりとりはできず、感情など抽象的な概念のみのやりとりであるが、しかし、それでも意思疎通の作業としてはきわめて画期的である。
この『共有者』ドラッグはCIAが熱望すると思われ、事実CIAが猛烈なラブコールを送ったが、意外に軍……特に特殊部隊が食いついた。隠密作戦において、たとえば突入タイミングなどを感情の動きで伝えることができるというのはきわめて便利であるからだ。
共有者ドラッグはC7の中では比較的安価で、技術者も手軽に色々な実験を行ったということであった。
著者が個人的に面白いと感じたのは、参加者全員が『共有者』を摂取した状態でカードゲームを行った実験で、よりによって『13人の中にいる3人の嘘つきを見つける』と言うゲームだったそうで、嘘つきが次々見つかって「全員『予言者』になったみたいだったよ」とのことであった。
そして『恋人同士で摂取するのはやめたほうがいいよ……』と話した彼の表情が寂しげだったのも、また印象的であった。
なにが起こったのかはあえて聞かなかったが、なんとなく想像はつく。真実しか語らぬ恋愛があった試しはないのである。

——どんな便利なものも、使い方に気をつけなければいけないということなのかもしれない。

12.シリーズC7ドラッグ:恋人

米軍とCIAが開発した7種類の『超人化ドラッグ』——C7(シーセブン)。
各ドラッグは、開発者たちがハマっていたカードゲームにちなんで名づけられたりもしたが、まるでスーパーヒーローの特殊能力が手に入るような画期的な内容だった。
そして、7種類のドラッグはすべてバラバラの効果を発揮するもので、さまざまな分野で活用が期待できるものであった。

それでは、C7ドラッグのひとつ『恋人』ドラッグについてお話したいと思う。
『恋人』ドラッグは、ストレートに言うと『ほれ薬』である。このドラッグは特定のフェロモンに対して感知する能力を高めるというもので、使用者は対象に『恋人』を摂取させた上で特定フェロモンのコロンなどを使うことにより、相手に好意を抱かせやすくすることができる。
つまり『恋人』はC7の中では唯一“対象に摂取させる”と言う工作用ドラッグである。そして形状も他の6種類がすべて静脈注射で摂取するものなのに対して、経口摂取……すなわち『飲ませる』ものである。濃度さえ確保できれば気化させて『吸わせる』ことでも効果を発揮する。
『恋人』を摂取した対象が特定フェロモンに対して抱く『恋心』は強力で抗いがたいほどのものであるという。それは性別すら超越し『相手のためならば死んでもよい』と思うほどだそうだ。
言うまでもなく、軍はまるで見向きもしないドラッグ……と、言いたいところだが意外に陸軍と海兵隊が興味を示した。
上陸作戦や侵攻作戦の時に敵の頭上に高濃度で『恋人』を撒布することにより、相手の戦意をくじく目的で使いたいという。
自分の愛する人に銃を向けることに葛藤を覚える敵兵。『あなたが死んだら——わたしも死ぬ!』と泣き叫ぶ敵兵。
——実にシュールな光景であるが、そのせいで命を落とすのは喜劇ではなく悲劇である。

やはりほれ薬は、片思いのあのひとに飲ませるのが自然なのだろうか……?

13.シリーズC7ドラッグ:人狼

米軍とCIAが開発した7種類の『超人化ドラッグ』——C7(シーセブン)。
各ドラッグは、開発者たちがハマっていたカードゲームにちなんで名づけられたりもしたが、まるでスーパーヒーローの特殊能力が手に入るような画期的な内容だった。
そして、7種類のドラッグはすべてバラバラの効果を発揮するもので、さまざまな分野で活用が期待できるものであった。

それでは、C7ドラッグの最後のひとつ『人狼』ドラッグについてお話したいと思う。
人狼は摂取した人間を不死身の獣人へと変貌させるドラッグである。その効果は日没後に限定されるが、獣人化している間は銃も刃物も通じない。仮にアンチマテリアルライフルなどで、心臓や頭部を吹き飛ばしたとしても夜の間に再生して『復活』してしまう。
まるでSF映画やホラーゲームの『ラスボス』のごとき存在であるが、化学物質の組み合わせだけで人間をここまで変化させることは当然できない。情報によれば『人狼』はNASAがオライオン計画により採取した小惑星の地表サンプルに付着していた『サイマトリクスイオタ型アメーバ』が主成分になっているといわれている。つまり、宇宙の深淵から飛来した成分を摂取することにより、摂取した人間が不死身の肉体になるという、マーベルのスーパーヒーローもかくやと言う話なのである。倒すには全身を一瞬で燃やし尽くす必要があり、それ以外では倒せない。スーパーマンと違ってクリプトナイトで倒すこともできないのだ。
この『人狼』ドラッグに一番食いついたのは当然米軍である。夜の間だけでも『無敵モード』になる兵隊と言うのは、犠牲者が出るたびに叩かれる軍にとって喉から手が出るほど欲していた存在だっただろう。
ところが。いざ、実戦で実験をしたときに問題が発覚した——獣人化している間、摂取した人間は理性で抑えられないほどの『食人衝動』に駆られて、人を喰う化け物に成り果ててしまうのだ。
テロリストを引き裂き喰い散らかすデルタフォース、輸送ヘリの機内を地獄絵図に変えるグリーンベレー、民間人ごと敵勢力を噛み殺すシールズ……米軍、いや米政府の中で『人狼』は無かったことにされた。

——はずだった。

取材で得た情報によると、いまだに『人狼』ドラッグは作られ続けているらしい。
摂取した人間が死ぬことのできない不死身の獣人に変貌し、もう二度と元に戻ることはできない……
明らかに、非人道的な効果しか発揮しないドラッグであるが、果たして『ぼくらのともだちアンクルサム』は何に『人狼』を使うつもりなのだろうか?

わたしはこの件について、追い続けるつもりである。
もし、わたしが『市街地で謎の獣に喰い殺された』死体で発見されたのなら、本紙の読者諸氏はぜひ今年最後のこの記事を思い出して欲しい。

それでは——みなさま、よいお年をお迎えください。

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