第8章:交錯

#181:帝都イリオン城門

 聖イリオン帝国の首都イリオンは、常と変わらぬ賑わいを見せていた。
 見上げるばかりにそびえ立つ城壁の彼方、イリオン城の巨大な城門の脇にアークは佇んでいた。
 ジンやマックと思いがけない形での邂逅を果たしたものの、諸々の報告をするために急ぎ足で帝都へと帰還することとなったためである。
 アークの横には大きなオレンジの木が生えており、旅人が待ち合わせをするのによく使われるイリオンのシンボルのひとつとなっていた。
(まさか、あんなところで会うことになるとはな……)
 任務の出来としては、スフィンクスたちの機先を制することには成功したものの、ジンとマックの二人が現れたことに少なからず動揺してしまいペースを乱されたのは紛れも無い事実である。
 マックの驚く顔を思いだし、アークは軽く嘆息した。
(……そういえば、あのときはここで別れたんだな)
 色鮮やかな実を無数につけているオレンジの巨木を見ながら、アークはまだそれほど遠くないあの日に思いを馳せるのだった。

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