#187:ゴート邸、中庭 - ii

「今日はこれまでにしよう」
 アークのその言葉で、ネオは攻撃をやめる。
 すっかり息が上がり、肩で息をする感じだったが、すべての攻撃を完璧に受けきったアークは汗一つかいていない。
 その様子を見て、ゴートは至って上機嫌な感じで二人のもとに歩み寄る。
「どうだ、アークトゥルス卿?」
「やりがいがあります。ありがとうございます」
 アークのその返事に満足したのだろう。
 『よろしく頼む』とだけ言い残し、片手をあげながらゴートはその場を立ち去った。
 ゴートを見送ったアークは、ようやく息を整えたネオに向き直る。
「では、これから毎日稽古だ」
「はい、お願いします!」
 即座に返るネオの返事を聞いて、アークは満足気に頷いた。
 そして、ネオの肩にぽんと手を置くと
「今日はゆっくり休め」
 と告げて、自宅の方へ歩き去っていった。
 ネオはふう、と少し重い息をついてそれを見送る。
 そしてふと、その後ろ姿が寂しげに見えて首を傾げた。
 (……なにかあったのかな?)
 その疑問に答えるものは誰もおらず。
 ネオは疑問を胸に、中庭を後にしたのだった。

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